保育園からの帰り道のこと。
息子と手をつないで歩くという至福タイムに、
彼がぽつりとつぶやきました。
今日のごはん、何?
わわわぁ〜...これか。
言われた瞬間、
私の脳内に過去30年分ぐらいの記憶が
走馬灯のように流れました。
何を隠そう、
この「今日のごはん、何?」というセリフは、
実家で暮らしていた頃、
私が毎日のように言っていたセリフです。
人間関係に悩みがちだった中学生のころ、
食以外他に楽しみのなかった受験生のころ、
大学生や社会人になってからも(←さすがに自分で作れよと今になって思います)、
帰宅後、
「今日のごはん、何?」と聞くのが日課でした。
もうすぐ息子は3歳。
これから毎日このセリフを言われるとして、
少なくとも15歳までの12年間に
365回×12年= 4,380回
言われる計算になります。
それに加えて休日の日の「お昼ご飯なに?」」なんかを含めると、
もう確実に5,000回以上はこれからこのフレーズを聞くことになるのでしょう。
アーメン。。。
当事者になってわかること
出産後、街のビルの意外な場所に授乳室が潜んでいたことを初めて知りました。
ベビーカーユーザーになって初めて、街中の段差の多さに気がついたりも。
とにかく人間って(いや、雑な私だけか?)、
当事者にならないと本当の意味で自分と同じ立場の人の気持ちや視点が思いもつかなかったりします。(言われたら「確かに」とわかるんだけれど、そもそもの発生要因が思い及ばない)
今回、実際に自分が「今日のご飯、何?」
と可愛い息子に言われてみて初めて思ったこと・・・
なんだ、このプレッシャー!!!
いやはや2歳相手にものすごいプレッシャーを感じましたね。
その日はたまたま息子の大好物・煮込みうどんだったもので、
「ヤッタァ〜!」(←手がかからないものほど美味しいと言われる法則)
なんて返事が聞けましたが、
「野菜炒めだよッ⭐︎」 なーんて答えた日には、
がっかりした顔をされるに違いないのです。
客観的に考えると
「出されたものは食材に感謝して全部食べましょう」なんですけど、
でもやっぱり日中離れていた息子の
「ヤッタァ」という笑顔がみたいわけですね、母としては・・!
私はこんなにプレッシャーになる言葉を発し続けていたのか・・
反省することしきりです。
ただ、一つ心の救い?は、
私の母は専業主婦で料理も得意なので、
私よりは余裕な心持ちだったのではないかということです。
(よく「食しか楽しみがないの?(笑)」と呆れられていましたが・・・)
セリフの裏の気持ち
ちなみに、親に多大なプレッシャーを与えていたかもしれないこのセリフですが、
発していた側の私としては、実際の晩ご飯のメニューはそこまで気にしていなかったようにも思います。
なんというか、とにかく学校という場所でのヨロイを脱いで、コタツ机でぬくぬくワイワイと食卓を囲む空間が好きだったんです。
学生時代って、人間関係やら進路やら悩むことが無数にあって。
楽しい思い出もありますが、基本的に常に神経を張り詰めて学校に行っていました。
でも食事の時間だけは、一旦、そんな悩みたちを横に置いて、目の前の食に集中できる。
戦国時代の武士が、茶室には刀を持って入らなかったのも同じような感覚かもしれません。
(大げさですね、ハイ)
私にとって
「今日のご飯は何か=どんな食の時間を過ごせるか」
というのは、とても重要な事項だったのです。
食卓という空間
今の息子(2歳)はおそらくそこまで考えておらず、単に物理的な空腹を感じて言っているだけだと思われますが、
あと2〜3年ぐらい経ったときに、息子にとっても食卓という空間が、心休まるものだったらいいなと思います。
(あ、もちろん旦那氏も。笑)
今のところ息子は、順調に私の食いしん坊の遺伝子を引き継いでいる様子。
私の今のレパートリーの乏しさからして、
息子の食のニーズに応えられるのは、あと何年なのか?と今から冷や汗ものです。
よし、レパートリー増やすぞ!
頼むぞ、ホットクック ちゃん!
その一方で、息子に作ってもらえるよう台所育児も真剣に考えていかなければいけませんね(笑)
あっ、ちなみに世の旦那さまたち!
どんなに奥様の食事が癒しでも、夫からの「今日のご飯、何?」は子どもと違って
妻にとって抜群のキラーワード(悪い意味で)なので、
充分にご注意くださいませ・・・。